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医療タイムス

インターン 谷悠太

【コラム】医学生が覚える「地域枠制度」への違和感 2022/2/16

『 医学部の友人…「経済的理由から、地域枠を利用して医学部に入ったが、病院実習が始まってから、毎朝、卒業してから30歳代半ばまでの9年の間指定された診療科で本当にやっていけるのかという不安に襲われ、吐く日もあった」、「おれの家は裕福じゃないし、…医学部なんて無理だよなってあきらめかけたときに、地域枠制度を見つけた。今は自分が置かれた環境で立派な医師になれるよう精一杯頑張れていて、毎日が充実している」

 地域枠制度は、都道府県による貸与型の奨学金制度で、都道府県の指定する区域で一定の年限従事することにより返還を免除される。

 ●…9年間、指定された地域や診療科に勤める義務が生じる。海外の類似の制度と比較してみると、

  オーストラリアやインド、ガーナ、タイでは3年間、ノルウェーは1.5年、南アフリカは1年

 ●高すぎる金利…多くの自治体で地域枠制度の金利は10%で、一般的な学資ローンの返済利率と比べ

  最大7倍多くの場合、一括返金を求められ、山梨大学医学部など一部の大学では、利息制限法を

  超える不当に高い違約金まで請求

 ●厚労省による臨床研修病院への圧力…補助金の減額や指定の取り消しの可能性を通達し、地域枠制

  度の学生名簿を各研修病院に配布

 ●日本専門医機構は、都道府県の同意を得ていない離脱者を研修に参加させず、専門医としても認定

  しない方針

 ●法的根拠が欠けた地域枠制度地域枠制度は、奨学金条例の運用で行われており、その条例の目的

  は、地域の医師偏在の解消ではない。

 ●地域枠制度利用者は医学部定員の約2割

 地域枠制度の強すぎる締め付けに違和感を覚えている医学生や医師は少なくないはずだ。日本の医学教育が、医療の将来を担う医師を、いきいきと羽ばたかせられるように、地域枠制度の改革を求めたい。

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