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理事長 上昌広

【連載】現役医師が緊急レポート!新型コロナ感染拡大の現状【第8回】ムダに潰れたGW…緊急事態宣言が「仕方ない」で済まない理由 2021/5/1

日本と欧米…感染者数は大差ナシでも真逆のコロナ対応

❑「正しい感染状況」を把握しないまま自粛を要請

 日本の新規感染者数は英国と同レベルで、米国より少ない。

 英国では、小売店、美容室、さらに屋外に限ってだが、パブなどの飲食店の営業が再開された。5月17日には屋内での飲食店、映画館などの娯楽施設、ホテルの営業再開、6月21日にはマスク着用の規制を緩和し、ナイトクラブの営業を再開する予定だ。

「患者を受け入れるべき病院」が動かないため医療逼迫

 検査抑制と並ぶもう1つのポイントが、医療崩壊だ。大阪や東京で緊急事態宣言が出された最大の理由は「医療体制が逼迫」したからだ。4月20日現在の入院病床使用率は、兵庫82.6%、大阪82.3%だ。東京は27.2%とまだ余裕があるが、現在の調子で感染が拡大すれば逼迫するのは時間の問題だ。

 どうして、欧米と比べて、圧倒的に患者数が少ない日本の医療が逼迫してしまうのだろう。理由は簡単だ。病床数が足りないのだ。特に問題なのは、医師・看護師が多く、設備も整った大学病院が少数の患者しか受け入れていないことだ。

 海外では大学病院など地元の中核病院が100人以上の重症患者を受け入れているのと対照的だ。大学病院より遙かに医師や看護師数が少ない、国立病院や都道府県立病院に受け入れを求めても、引き受けることができる患者数には限りがある。

❑ 医療逼迫も、入院先がないコロナ難民の続出も「人災」

 まず、やることは、感染症法を改正して、大学病院を感染症指定病院に追加することだ。ところが、1月の感染症法改正で厚労省は動かなかった。

 厚労省は、感染が再拡大した3月24日になって、事務連絡を出し、(中略)この記載に法的強制力はなく、大学病院の状況は以前と何ら変わらない。関西で入院できずに自宅で亡くなる「コロナ難民」が多発しているのは、このためだ。

政府まかせの対策では第4波も「日本の惨敗」確定


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