東洋経済ONLINE
理事長 上昌広
日本人はコロナ空気感染への危機感がなさすぎる 人流、3密、クラスター対策では解決に向かわない 2021/8/19
『渋谷健司・元キングスカレッジ・ロンドン教授は、「欧州は社会経済を回しながら実証的データを取り、対策を科学的にグレードアップしている」という。
日本に足りないのは合理性だ。コロナ感染症対策分科会が求めた規制には、どの程度合理性があるのだろう。図2は、東京都の新規感染者数とターミナル駅の人流減少率の関係を調べたものだ。一見してわかるように、人流と新規感染者数に明らかな相関は見られない。
これは当然だ。コロナ感染にはホットスポットが存在する。やみくもに人流を抑制するのは非効率だ。コロナについて、十分な情報がなかった流行当初ならともかく、今頃になって議論する施策ではない。検査を徹底し、ホットスポットを同定したうえでの重点的な介入が必要なのである。』
『感染の多くがエアロゾルを介した空気感染によることが明らかになってきた。エアロゾルは、最低で3時間程度、感染性を維持しながら空中を浮遊し、長距離を移動する。コロナが空気感染するなら、これまでのクラスター対策一本槍の感染対策では不十分だ。「バブル方式」を厳格に実行しても、必ず感染は起こる。
いまだにじゅうたん爆撃に近い「人流抑制」や、飛沫感染を対象とした「3密対策」を続けている。科学的に合理的でない対応は必ず失敗する。コロナ対策は、科学的なエビデンスに基づき、抜本的に見直さなければならない。』
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