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理事長 上昌広
厚労省「PCR拡充にいまだ消極姿勢」にモノ申す あの中国が国内感染を抑え込んだ本質は何か 2021/1/13
「実は、欧米は検査数が足りていないのだ。表をご覧いただきたい。主要先進国と東アジアにおけるPCR検査と感染状況を示している。注目すべきはPCR検査数を感染者で除した数字だ。1人の感染者を見つけるために、どの程度のPCR検査を実施したかを示している。」
「実は、コロナ対策を考えるうえで、中国のように「闇雲」にPCR検査をやることは合理的だった。コロナの特徴は感染しても無症状の人が多いことだ。無症状の人が巷にあふれれば、偶然、症状が出た発症者と濃厚接触者をしらみつぶしに探すだけでは、大部分の無症状感染者を見過ごすことになる。無症状感染者は、どこにいるかわからないから、彼らを「隔離」(自宅を含む)しようとすれば、網羅的に検査するしかない。仮に住民の0.1%が無症状感染だとすると、1人の感染者を見つけるためには、1000人の検査が必要になる。まさに、中国が採った戦略だ。」
「厚労省は流行当初から、PCR検査を懸命に抑制してきた。7月16日には、コロナ感染症対策分科会は「無症状の人を公費で検査しない」と取りまとめている。これは翌日に、塩崎恭久・元厚労大臣などが主導して、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」を閣議決定することへの対応だ。この中にPCRの拡大、感染症法の改正などが入っていた。」
「12月16日、朝日新聞は『民間PCR施設、都心に続々 ばらつく精度、陽性なのに「陰性」も 厚労省が注意喚起』という見出しの記事は(精度に問題があると主張する)根拠を示さなければ、単なる営業妨害だ。政府が本気でPCR検査を増やしたければ、民間検査センターを支援すればいい。検査サービスの多様化(薬局で検査キットを販売、通信販売の認可、大学などさまざまな場所で検査を提供)をすれば、さらに検査数は増える。
現在、日本が適切な対応をとれない最大の障壁は厚労省医系技官と周辺の専門家の存在にあると私は思っている。国家をあげて検査体制を強化しようとする世界とは対照的だ。菅首相のリーダーシップが問われている。」
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