利益相反透明化(製薬マネー)
あなたのお薬は、科学的なエビデンスに基づいて、適切に処方されているでしょうか?
医療専門職が、製薬企業から金銭やその他の贈答品を受け取ることで、意識・無意識下に、製薬企業を利する形で診療に影響が及ぶ可能性が指摘されています。そのような背景の元、世界各国において、製薬企業と医療専門職のカネの流れの透明化が進んでいます。一方で、日本においては、この動きは諸外国に比較して遅れていました。
そこで、尾崎章彦医師を中心とするチームは、独自にデータを集計・統合し、2019年から、一般に無料公開しています。2022年7月1日より、製薬マネーデータベース 『YEN FOR DOCS』としてリニューアルいたしました。
このデータベースにおいては、製薬会社から医師個人や大学や病院などの研究施設に支払われた金額を調べることができます。データは製薬会社が自らのホームページで公開している情報ですが、個別に公開されている膨大なデータを整理・集計することで、製薬業界から医療業界への資金提供の全体像を透明化しました。
2017年来、我々チームにおいては、この問題について70報を超える英文論文を発表してきました(2023年10月8日現在)。多くの学生がプロジェクトに関わってくれています。本プロジェクトに関して、毎年10名ほどの学生に尾崎章彦医師が指導を行い、大学生が筆頭著者となる英文論文26報を発表しました。
これらの調査は、医療ガバナンス研究所が単独で実施した調査の他、日本国内や英国、オーストラリア、米国などの研究者との共同研究も含まれます。
共同研究、取材などにご関心がある方がいましたら、ぜひ気軽にご連絡いただけますと幸いです。また、現在、製薬マネープロジェクトを継続するために、皆様のご支援をお願いしています。
プロジェクトの趣旨にご賛同いただける方がいらっしゃいましたら、ぜひご寄付をお願いできますと幸いです。
利益相反管理の透明化に向けた
公開データベース作成事業へのご寄付のお願い
https://www.megri.or.jp/yenfordocsdonation
連絡先
医療ガバナンス研究所
〒108-0074
東京都港区高輪2-12-13-201
Fax: 03-3441-7505
2024年の主な活動実績
2024年4月13日
2021年度の製薬マネーデータベース一般公開を記念し、記念シンポジウムを開催しました。
理事長 上昌広、理事 尾崎章彦、研究員 川口恭、山下えりか、鈴木陽介、齋藤宏章、インターン 坂田捺哉が
発表・総合討論を行いました。
2024年2月27日~4月2日
インターン坂田捺哉(秋田大学医学部)は、英バース大学社会政策分析センター(CASPS)へ研究のため短期留学を
しました。
2023年の主な活動実績
2023年10月9日~11日
理事 尾崎章彦、研究員 齋藤宏章は、蘭州大学健康データ科学研究所 エグゼクティブ・ディレクター、中国医
学科学院エビデンスベース評価・ガイドライン研究イノベーションユニット・ディレクター 陳耀龍(チンヤオロ
ン)教授を訪問し、EBMと利益相反に関する今後の共同研究について意見交換を行いました。
2023年9月17日
2020年度の製薬マネーデータベース一般公開を記念し、記念シンポジウムを開催しました。理事長 上昌広、
理事 尾崎章彦、研究員 谷本哲也、山下えりか、鈴木陽介、齋藤宏章が発表・総合討論を行いました。
2023年3月7日
英バース大学の『International Symposium: Transparency in Healthcare』にて、理事 尾崎章彦、
研究員 谷本哲也、齋藤宏章らが講演を行いました。